行政視察報告:徳島市まちづくり協働プラザの取組について
【視察先】徳島市(市民環境部 市民協働課 / まちづくり協働プラザ)
【調査事項】公民学連携による共創のまちづくり、若者の地域参画、オーバーツーリズム対策
徳島市が設置する公設民営の中間支援施設を視察いたしました。行政の制度設計と、民間(指定管理者)の現場力が見事に融合した先進的な取り組みについてご報告いたします。
■ 1. 「協働」から「共創」へのシフト 徳島市ではNPO法人数が約160団体で頭打ちとなる中、行政との協働を「目的」ではなく「課題解決の手段」と再定義しました。現在はNPOに限らず、企業や学生、個人など多様な主体がフラットに連携する「共創のまちづくり」へ移行しています。
■ 2. 補助金制度と人材育成の刷新 ベテラン団体への依存から脱却するため「まちづくりチャレンジ補助金」を再編しました。若者向けの枠を設け、手続きを簡素化して新規団体のスタートアップ支援に特化しています。また、実践的に課題解決を学ぶ「まちづくりスクール」を開講し、次世代育成に注力しています。
■ 3. 若者を巻き込むコミュニティ設計 指定管理の現場では、若者の参画を促すプラットフォームとして環境NPO「グリーンバード徳島」を運営し、年間約500人を集めています。「意識の高さ」に頼らず、「友達がほしい」「居場所がほしい」といったライトな動機を歓迎。楽しく活動できる緩やかなコミュニティを形成し、定着に繋げています。
■ 4. 阿波おどりにおけるオーバーツーリズム対策 徳島市最大のイベント「阿波おどり」は、ごみの散乱による地元との軋轢で会場縮小の危機にありました。これに対し、若者たちが自ら踊りの「連」を結成し、大トリで観客を巻き込んで踊りながらごみを回収する「エンタメ型クリーンアップ」を確立。課題を劇的に改善させました。
■ 5. つくば市への示唆と今後の課題 ・県外出身学生の活用:徳島市同様、つくば市でも「つながりを求める県外からの大学生」は大きな力になります。彼らが気軽に参加できる「ポップな居場所」の創出が不可欠です。 ・中間支援への適切な投資:現場を担う人材を定着させるため、「適正な指定管理料(人件費)の設計」が必要との切実な声がありました。単なる経費削減ではなく、次世代への「投資」として支援のあり方を見直す必要があります。
【所感・まとめ】 「行政の適切な制度設計」と「若者を主役にした温かいコミュニティ」、そして「それを地域課題解決へ還元する動線設計」を学ぶことができました。つくば市の豊かな学生資源を、次世代の共創へと昇華させるため、今後の政策提言に活かしてまいります。


